Risa

生理ちゃんのRisaのネタバレレビュー・内容・結末

生理ちゃん(2019年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

2019年45作品目

予告も原作も何も見ず鑑賞したら、私は少し誤解していたようだった。生理になると現れる生理ちゃんは生理痛の痛さが強いほど個体の大きさが大きくなり、女性であれば他人の生理ちゃんも見ることができる。生理になると現れると思いきや、気付いたら隣で見守っていてくれたりする親友のような存在だった。

前半はバリキャリの青子が主人公のように話が進むが、中盤から追い上げてくる清掃員の山本リホの存在が愛おしくて仕方がなかった。人と関わるのが苦手で何かあるとすぐスマホにかけこみ、家に帰ると部屋にこもって大好きなレトロゲームをやり込む。(勝手にふるえてろのヨシカを彷彿とさせる社会不適合感が最高でした)そんなリホが初めての恋に落ちる相手は青子の後輩であり、リホのブログの隠れファンだった山内。リホの恋の行方と喜怒哀楽でコロコロと変わっていく表情が観ていて楽しくて、本当のヒロインはリホだったんじゃないかと錯覚するほど伊藤沙莉の存在感を感じずにはいられなかった。

一方、青子の恋人は2年前に妻を亡くした年上子持ちのダンディな久保。青子はなかなか久保の娘かりんに受け入れてもらえず落ち込むものの、終盤でかりんが初潮を迎え慌てふためく久保を横目に、青子は必要なものを買い込み正しい対処法をメモに残す。女性にしかできない冷静な対応に思わず青子を姐さん!と呼びたくなってしまった。

そんなこんなで二人が和解し、いざ結婚だと思ったのにラストの一年後は青子と久保は破局し、かりんと青子が母代わりというよりも友達になりエンド。なんで青子は結婚やめちゃったんだろう。あんなに青子を愛していた久保はそれでよかったのかな。なんてぐるぐる頭をよぎりながら少しモヤっとしていた。それもあってか、やっぱりリホと山内の初々しい恋の行方を本当のラストに持って来た方がよかったのでは?と疑問が残った。

ここまで書いて、今作は生理云々かんぬんというよりも女性の生き方みたいなのが本当のテーマであるように感じた。月一でやってくるアイツは時も場所も選ばないけれど、女である限りずっと背負っていかなければいけない。この映画を観て、序盤の青子の上司のような「女はいいよな!(圧」のという男性が減っていくといいなと思った。

完全に脇役だったけど、青子の妹の彼氏がザ10代男子でフフッとさせられた。このカップルもリホたち同様長く続いてほしいな。
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