ささやんでどうでしょう

山懐に抱かれてのささやんでどうでしょうのレビュー・感想・評価

山懐に抱かれて(2019年製作の映画)
4.1
さいたま芸術劇場(¥1,100)一般料金
酪農を通じて、家族を何年も取り続けたヒューマンドキュメンタリー。日曜日深夜の日テレ系列で放映されるドキュメンタリーは、中々骨太なものがあって、その後が気にはなるけど民放でのもどかしさが残念なところである。今回、テレビ岩手開局50周年で映画化され、世の中に山地酪農の存在をアピールできたのは喜ばしい。何せ、岩手で生まれ育った私はこの映画を観るまでは、知らなかったのだから!
家畜の飼育密度の問題が話題となっているが、経営との兼合いがあるのだろう。とっつぁんが金が無いんだよと息子に語るのは、心苦しかった。息子も息子で、子供の頃から金銭面で苦しめられた親の姿をみてきたのだろう……。それぞれ模索する姿が悩ましい。農業もそうだけど、無農薬や減農薬に係る収穫量の兼合いがある。安全・安心を取るのか安さをとるのか、この牛乳一本1リットル500円が物語っている。
理想と現実の間で揺れ動く家族を長期に描いた、この作品を機に食のあり方など見直す契機にしても良いのではないだろうか。そして、帰省した時に買って飲んでみようかなと思った。
追伸
で、飲んでみました。2倍の値段以上のおいしさはわからないんですよね。食の安全性は難しいと思った瞬間でもありました。