いとよ

在りし日の歌のいとよのレビュー・感想・評価

在りし日の歌(2019年製作の映画)
5.0
ちゃんと見たくて温めてた作品

ある日の乗り越え難い事故をキッカケに、前に進めず後悔を抱える日々、けれど時代は止まってくれないし、希望や支えを見つけながらそれぞれ人生を進むしかない。
中国の広大な土地が、見えない複雑な想いが交差する小さくて短い人の営みを際立ててる。
包丁のシーンがショッキングで悪く言えば大袈裟なんだけど、中国人の情に熱くて面子を立てる国民性が、物語と脚本との相性がめちゃくちゃ良い。

2000年代の中国は自分が実際向こうで経験してきた事と重なる部分も多くて、大人になって改めて事実を見せつけられた感じ。

北京訛りが耳に心地いいし、食卓の馒头や瓜子かじるシーンとか、冬の墓場から望む靄のかかった経済成長風景も昔の地方都市らしくて懐かしくなった。
夏の日入りのぬま地のもや〜とした雰囲気が山水画みたいで、オープニングからエンディングまでとっても丁寧、映画全体を通して絵作りが最高。。。

中国の母親は子に厳しいから強く逞しく賢く育つんだよね
残った子供は立派だ。残された人生自分のために生きて!
いとよ

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