このレビューはネタバレを含みます
冴えないミュージシャンの主人公が全世界的な停電の間に交通事故に遭い、目覚めるとそこはビートルズの存在しなかった世界だった!
最初は周りが嘘をついていると思い込んだが、やがて世界でビートルズを知っているのが自分だけだと気づき、彼らの曲を歌い有名になっていく。
最初は曲を聞かれるようになった喜びで舞い上がったが、次第に盗作を続けることに良心の呵責を覚えるようになる。
マネージャーでもあった幼馴染への恋愛感情にも遠距離になり初めて気づくが、忙しくなった上にすれ違いが増えていく。
主人公の葛藤とともにストーリーは進んでいき、要所要所で挟まるビートルズの曲でメリハリが生まれ、終始テンポ良く展開する。
主人公の抱える現状への不満とそれの解消というのを二度繰り返すことで、自分の人生に本当に必要なものを見出していく。
地元のホテルでの演奏時の煮詰まった感じから、決意を固めた最後のライブでのパフォーマンスの流れは心が揺さぶられた。
シーンの所々で使われるビートルズの曲はある種の懐かしさを伴って聴けたのだが、ビートルズの曲がSNSで拡散されるのにはなんとも言えない不思議な気持ちになった。
ビートルズもオアシスもない世界であるのに、エド・シーランが活躍しているのは意外性があってよかった。
落ち込んでいるときに観ると元気がもらえる一本。