このレビューはネタバレを含みます
ジャズドラマーを目指すニーマンは、アメリカ最高峰の音楽学校であるシェイファー音楽院に入学する。
そこで、高名な指揮者であるフレッチャーに認められ、チームに加えられるのだが、彼の狂気を宿した猛烈なシゴキが始まり、ニーマンは病的に演奏にのめり込んでいく。
練習、演奏のシーンの熱量がすざまじく、圧倒される。
一流になるためにはあらゆるものを捨て去る必要があるが、それでもたどり着けず、挫折を経験するというのが正面から丁寧に描かれていて、心がえぐられそうだった。
とりわけ、最後の演奏シーンは鳥肌がとまらなかった。
どれだけしがらみがあろうが、良いものは良いものだとしっかりと受け止め、昇華するために全力を尽くすのが、泥臭くてキレイだった。
セリフがほぼなく、演奏と映像だけで表現しきるのが、素晴らしかった。
クリエイター職の端くれとして、仕事に行き詰まったとき、モチベーションが消えそうなときに観たくなるそんな映画。
随分昔にも観たことがあったが、歳を重ねて捉え方が変わってきた気もする。