Joker

スキャンダルのJokerのネタバレレビュー・内容・結末

スキャンダル(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

映画としてはあまり面白くなかった。と言うのも実話を元にしていて、事実を伝えようとようとしているため、メリハリやオチがなくてパッとしなかったのは仕方ないと感じた。

事件の詳細を知らなかった自分としては、ニュースや記事だけでは分からなかったであろう、彼女たちがセクハラをカミングアウトしにくい理由やFOX社内の実態などを知ることができてよかった。

しかし、FOX社内の酷い実態やロジャー・エイルズのありえないセクハラについて観ていてかなり不愉快だった。全米最大のTV局のFOXがなんであそこまで腐ってしまっているのか。ロジャー・エイルズがあまりにも権利を持っているため、いくらセクハラをしても訴えることができない、また盗聴や探偵などのせいで訴えさせないような仕組みになっていて、好きなように女性を性的搾取している彼が気持ち悪すぎて胸糞すぎた。これ対して警鐘をならし、女性たちの味方になるべき彼の周りの上層部も同じようにセクハラをしていて気分が悪くなった。だからこそ、彼のセクハラを拒否し、完全に証拠をしっかり掴んで彼を堂々と訴えたグレッチェンは素晴らしいと感じた。彼女が自分の意思を示さずセクハラを受け入れていたらこの事件が世間に知られることもなかったし、他の女性が声を上げることもなかったと思う。

特にマーゴットロビーを始めとする女優たちの演技が良くて、第4の壁を崩して現場にいるような演出も良かった。

いわばドキュメンタリーな映画で、面白さはなかったけど、リアリティがあって、個人的に権利の在り方について考えさせられる映画だった。
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