なんて感想を抱けばいいのか、わからない
ほんとうに淡々と、
日常のように過ぎていく理不尽な現実に
見ているこちら側も麻痺してきてしまう。
「過去を忘れない」というのは
「人が人に行った悪事を忘れない」ではなく、
「人の残酷さを忘れない」ことかと腑に落ちた。
ナチスの強制収容所に関する作品は数多くあれ
酷い、辛い、という感想で終わってはいけないと改めて思わされた。
時代や思想、宗教や人種が絡めば
いまだって簡単にこの地点に戻れる素質が
わたし達の中にはある。
人種差別やジェンダーだって未だに残る
この残酷さの1つだろう。
ラストの写真がかなりショッキングだが
この記録が今こうして世に出ることに
なんとも言えない悲壮感が残る。
これはかつて、現実だったんだ。