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流転の地球/さまよえる地球のnileのレビュー・感想・評価

5.0
先日韓国SFの『スペース・ウィスパーズ』が面白かったのでアジア産SFが他にないかと思っていたら見つかったもののfilmarksの評価がそこそこだったのであまり期待せずに観ていたらめちゃくちゃ面白かった。

宇宙の映像は今までにみたSF作品やスペースオペラの中でもトップレベルで綺麗。
宇宙ステーション、登場人物のゴテゴテした探査用の服や機動性抜群のトラックなどデザインも素晴らしい。お金のかけ方をちゃんと知っている映画。映像だけでなく全体的に丁寧に作られているなと感じた。

太陽が膨張し続け、いづれは地球も飲み込まれてしまう危機の対策として地球に大量の噴射口を付けて太陽から離れた場所に移動させちゃおうという「宇宙船地球号」の言葉ををピュアな視線でそのまま解釈したようなギャグのような設定だが、本編はコメディ要素は一切なく地球の存続のために人類が団結し不可能を可能にさせるまさしく希望を描いた作品になっている。
希望とは絶望を前にして初めて現れるものであり、その一筋の光を見るために死にものぐるいで足掻くのだ。
ガガーリンの酒、父親との木星の約束など綺麗な伏線回収も良かった。
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