"人は愛のためなら何でもする"
人物相関図など一部改変点は見られるものの概ねミステリに改変点はない。
ただ、オリジナル版よりも更に愛に主題を置いているために、主役であるポアロの推理があっさりとしていてクライマックスの事件解決シークエンスでの楽しみが薄まってしまった印象をどうしても受けてしまう。
ポアロ自身の価値観を揺さぶる事件だった前作『オリエント急行殺人事件』。
本作『ナイル殺人事件 』はそんなポアロのパーソナルな部分に繋がる物語として再構築しているが、オリジナル版以上に愛と怒りの矛先という視点が介入することで如何せん"ポアロの推理ショー"として寛容できない部分が多いにある。
このミステリとドラマのバランスは大事。
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