シェイクスピアなどクラシックな題材を得意とするケネス・ブラナー監督のアガサ・クリスティもの第二作目です。アガサ・クリスティもクラシックですものね。アカデミー脚本賞を受賞した『ベルファスト』もクラシック。
ただ、どうもボクはクラシックな題材にはあまり惹かれない。それはジョエル・コーエン監督の『マクベス』で感じたことでもあります。おそらく、映画としては非常に優れたものなのだと思います。でも、ボクはなぜか惹かれない。なんでだろう。
本作のテーマは「愛は殺す」でしょう。アガサ・クリスティのストーリーもクラシックなのでさまざまな推理小説のお手本となるようなもの。当然、エルキュール・ポアロのキャラクターも立っている。ボクが映画に求める三つの要素、テーマ、ストーリー、キャラクター全てが揃っている。でも、ボクはなぜか惹かれない。なんでだろう。
クラシックは時の試練に耐えた作品ですが、それゆえに博物館の展示物のような乾いた感じがある。ドライフラワーのようなものといいますか。ボクはそういう部分に惹かれないんだと思う。ケネス・ブラナー監督が優れたクラシック監督だから余計にそうなのだと思う。