こう

アーミー・オブ・ザ・デッドのこうのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

【個人記録用】


ビジュアル重視のゾンビ映画?ちょっと待って。伏線だらけのアーミーオブ・ザ・デッドはこの映画だけでは終わらない。物語は「Army of Thieves」「Army of the Dead: Lost Vegas」に続く。


ドーン・オブ・ザ・デッド、スリーハンドレッド、DCEU、そして一番好きなウォッチメンの監督のザック・スナイダー。
ゾンビ映画ということで、原点回帰といった感じ?でもゾンビにしては走るわ、格闘するわ、すごくアグレッシブなゾンビが大暴れ。
思えばドーン・オブ・ザ・デッドのゾンビもゾンビというよりは感染者という印象。
今回のアーミーオブ・ザ・デッドも、走るゾンビに眠るゾンビ、トラのゾンビに青く光る目のロボットゾンビ、キングとクイーンのゾンビベイビーと多種多様な生態の感染者が登場する。・・・ちょっと待って、青い目のロボゾンビ?

このアーミーオブ・ザ・デッドはポップでグロいオープニングから、笑いを含んだトーンのゾンビ映画と思いきや視聴を進めると、ゾンビ映画お決まりの裏切りや家族のトラブルでハプニングが起き、ザック・スナイダーらしい容赦ない仲間の死を経て暗いトーンのまま映画が終わってしまう。
凝った映像とアクションは楽しかったけど、王道だしとっちらかってる感じも否めないなと思いながら、映画を振り返ってみると、不思議な疑問が多く残ることに気付く。
青い目のゾンビ、エリア51、別次元、ループ・・・。
ひょっとしたらもっとたくさんの伏線が散りばめられているのかも・・・。
もしこの個人記録用のレビューを見てくれていて、これらのワードやシーンを見逃している人がいるなら、是非巻き戻して一番最初から見てほしい。

まず初めにゾンビの発生源。兵士たちが積荷の中身はビッグフットだのラーの杖だの勘ぐった後に出てくるワード「エリア51で積荷を載せた」「エイリアン」。
ただの兵士たちの他愛もない会話と思っていたが、映画開始から30秒くらい、兵士たちの車列が基地のゲートから出発するシーンの空に、浮遊しそして急発進して消える光点が2つ確認出来る。
この映画のゾンビには明らかにエイリアンの技術が介入していると分かる。
映画冒頭の兵士たちの通信でマザーシップというワードがでるが、最初に聞いたときは空母か何かかと思ったけれど、こうして見直してみると本当に宇宙船のようなマザーシップの可能性もあり得ると思う。

そして印象的なのはベガスの地下金庫に侵入した際のヴァンデルローエの言葉。
以前に侵入したであろう傭兵たちの亡骸をディーターが小馬鹿にした時の「これは未来の俺たちかも」「別の時間軸の俺たちなのさ」。
ただディーターをからかっているだけのようだが、エイリアン技術介入を前提に考えると、本当にループやパラレルワールドが発生しているとも取れる。
なにより死体の特徴が登場キャラクター達に似すぎているのが気になる。
ヴェンデルローエに関しては更に興味深いものがある。
プールで老人の介護をしているシーンや、地中に埋めた装備を回収するシーンで確認できる左胸のタトゥーとも傷跡とも取れるような「Ω」の文字。
そしてこの映画の知能の高いゾンビたちはアルファと呼ばれていて、最初のゾンビにはゼウスと名前がつけられている。
アルファとオメガは「最初から最後まで」「永遠」などの意味があるし、ループという可能性も示唆されているように感じる。
映画の最後にはヴェンデルローエの感染も発覚し、行き先のメキシコシティで何かが起こることは容易に想像できる。
ヴェンデルローエはアルファとオメガの中でかなり重要な立ち位置にいるように思える。

ゾンビロボットに関してはゼウスがアルファを集めて決起しているシーンで初めて確認することができる。
最初はゾンビベイビーが微かに青白く光っているように見えたため、ゾンビになるとそういう症状もでるのかなと想像で完結させていたが、後のカジノでのアルファとの戦闘シーン、グースマンに襲いかかるゾンビを振り払って頭に発砲した瞬間、一瞬だが青い火花とともにターミーネーターの様なシルバーの骨格がゾンビの皮下に見て取れる。
これがエイリアンの技術なのか、政府のゾンビ型調査アンドロイドなのか、まったく言及もせずにエンディングを迎えてしまう。

映画を見終わった時は「映像とアクションが派手な王道ゾンビ映画だな」なんて思っていたけれど、あえてそういうカムフラージュして、アーミーオブ・ザ・デッドユニバースの片鱗をチラつかせているのかもしれない。
残された伏線が、今後に予定している「Army of Thieves」「Army of the Dead: Lost Vegas」に関係してくるのは間違いないだろうし、ひょっとしたらアーミーオブ・ザ・デッド2も既に構想されているのかもしれない。
この映画をゾンビ映画単体として捉えたら、ストーリーが美味しいトコ取りのアクションゾンビ映画という評価になってしまうかもしれないが、大きな物語の中の一つとして捉えると、途端にワクワク感が高まってくる。ザック・スナイダーはやっぱりすごい。好き。
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