pasatiempo

ニノチカのpasatiempoのレビュー・感想・評価

ニノチカ(1939年製作の映画)
3.6
初見。
 1935年の作品で、当時の世界情勢を盛込み共産主義のソビエト連邦をブラックユーモアに、資本主義は良いぞ!と唱えているようなロマンチックコメディ。

 ソ連貿易省の3人の役人(ブリヤノフ、アイラノフ、コパルスキー)がパリに派遣され宝飾品を売り外貨にする公務だったが、ロシアの大公女スワナの持ち物と知った彼女の愛人であるレオン伯爵(メルヴィン・ダグラス)は、阻止にかかるが、ソ連から共産主義を信奉するニノチカ(グレタ・ガルボ)を派遣する…

 登場人物はほぼこの位で、それぞれ個性があって面白い。また、誰もが悪者って感じではないので観てて楽しく鑑賞できます。

 基本は資本主義を良く思っていない共産信者ニノチカをレオンがどう射止めるが見どころ。しかし、彼には恋人のスワナの存在。ここもドロドロしていなくコメディらしい。
 レオン、35才にはどう見ても見えないけど。

 笑顔を一切見せず規律を重んじる喋り口のニノチカを笑わそうとする労働食堂でのシークエンス。必死に笑わそうとするレオン。
 偶然コケたところで大笑いするニノチカの吹っ切れた様子がよく表れていて自由を手に入れた素晴らしさを見事に表現している。

 脇ではあるが、3人の役人がコントのようなシーンを織り交ぜることで話しにアクセントを添えてただのラブロマンスに幅を持たせ良い効果です。

「思い出は検閲出来ない。」ビリー・ワイルダー氏が脚本に絡んでいる辺りがきれいなエンディングでした。


視聴環境:字幕、ノーカット
パンフ:未保有
pasatiempo

pasatiempo