ひよこまめ

ミッドサマーのひよこまめのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
3.0
美しい映像とおどろおどろしい雰囲気、というのは好物なんだけど、内容的には期待したほどミステリーでもスリラーでもホラーでもカルトでもなかった。
序盤、視界が逆さまになったり脇道に入る様子を俯瞰で見せたりすることで、「別世界に行くよ~」と親切に教えてくれるので、心構えが出来てしまったのかも。
一般社会からしたらホルガ村は異色だけど、村の人はちゃんと説明してるから、観ていて「ああ、そうか~」と、すべて起こるべくして起こったことなんだな、と納得してしまった。
ダニーの孤独もリアルに実感できてしまって、だから彼女にとってだけは、他人の感情や痛みに同調を示すホルガ村が救いの場所になったんだなとすんなり納得してしまった。

何事につけてもドラッグありきなのがちょっと引っかかった。日本ではなじみのないものだから、なのかもしれないけど、外国ではどうなんだろう。
村の人たちが常にドラッグありきで暮らしているとすると、やっぱり、村ごとが狂気の世界ってことになって、監督が言っていた「ダニーは狂気に堕ちた者だけが味わえる喜びに屈した。ダニーは自己を完全に失い、ついに自由を得た。それは恐ろしいことでもあり、美しいことでもある」という話もストンと腑に落ちる。
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