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ベスト・オブ・エネミーズ ~価値ある闘い~のkaeruのレビュー・感想・評価

4.2
■総評
心をグッと掴まれた一作でした。
黒人差別自体は、よく取り上げられるテーマではありますが、実話であることや、話し合いでの解決を試みる切り口であったことで、多少なりとも実生活に重なるところもあり、印象に残った一作でした。孤独が故の一定のコミュニティへの憧れ、コミュニティの中に籠ることでの盲目さ、外側と内側での見える景色の違い。もちろん、本作品のテーマと同列とは言えないですが、自分の生活にも置き換えて、映画で感じた不快な部分を忘れてはいけないなと見終わって感じました。そして、黒人、白人の両方の側面をうまく写してしたのも良かったですね。
結論のネタバレは避けますが、話し合いをしたからといって、全員が分かりあえない結果にもリアルを垣間見た気がしました。
■良かった点
俳優の演技が素晴らしいと感じました。
サムロックウェルは、小物の悪役的なポジションは、いつもはまり役ですね。(笑) 少し優しさを持ち合わせてそうな雰囲気を出せるからこそ、出来た役だと思いました。タラジ・P・ヘンソンも良かったです。CPの奥さんを家に招き入れるときも、周りに警戒を怠ってない演技などは、常に気をはってないといけない環境にいるのだとハッとさせられました。細かい演技が素晴らしかったです。
シャレットの議論描写も、黒人白人同士の一定の緊迫感、KKKの常に小馬鹿にしたようなだるそうな態度、少しづつ緩和され議論が活発になる様子もすごく良かったです。
■気になった点
なかったです。ストーリー、演技など気になることなかったです。まぁ強いて言うなら音楽は印象的なものはなかった気もします。
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