samo

ミッション:8ミニッツのsamoのネタバレレビュー・内容・結末

ミッション:8ミニッツ(2011年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

2014年のメモ。

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幸せな終わり方なのか分からない、ただ切なかった。

どれだけ頑張って電車の乗客を助けたとしても、それは全部コルターの頭のなかのことでしかなくって、現実では乗客はみんなもう死んじゃってるっていうのが辛い。それに、やっと犯人も分かってもう8分を繰り返さなくてもよくなったのに、「やり残したことがあるんです」って戻ろうとするコルターに泣きたくなった。何回も8分の中で爆発に巻き込まれたりして死んだのに、助けても現実じゃ意味がない彼らを、まだ助けたいなんてね。コルターはもう事実上死んでるわけだから、「何をしたって現実ではもうどうすることもできない」なんてことは関係ないのかもしれないけど。

犯人を追い詰めたのにコルターとクリスティーナも撃たれちゃって、二人で倒れたまま、クリスティーナは涙を一筋流して、コルターは「きっとうまくいく」って言うシーン、あそこもすごい辛くなった。現実じゃクリスティーナは、何回やったって救えないのに。救えてないのに。

ラストのところ、列車爆破事件から先の未来が続く世界でコルターが生きていくってところ。その世界が彼にとっての現実の世界になるんだって考えると、その世界でなら乗客はみんな生きてるから、やっぱり幸せな終わり方ってことでいいのかな。彼の「やり残したこと」はまっとうできたわけだし。でも、その世界でお父さんに電話して話ができてても、体はコルターじゃないわけだから、コルターとして話はできないっていうのはやっぱり辛いと思う。それに結局、どの世界でも自分は死んじゃってるのがほんとに辛い。コルターが死んでることは、もうどうしようもないんだよね。

最後の8分が終わって、グッドウィンが生命維持装置をきった瞬間、全てが止まってる電車内の光景、すごく綺麗で、素敵だった。乗客はみんな笑ってる、生きてる。なんか、最後の8分自体が素敵だったのかもしれない。たくさん切なくなるところがありました。好きなセリフがたくさんでてきた気がする、「世界を救ってくるよ」とか「あと1分の命だって言われたら、君ならどうする?」「最後まで意味のある1分にする」とか。

8分を繰り返そうとするたびに写ってたあの有名なオブジェの光景も、すごく印象的だった。終わりがないからっていうか、鏡になってるから、「この世界は続いていて、この世界の別の世界もまた存在してる」っていうようなことを表現してるみたいで。勝手な想像だけど。

結構好きな映画でした。
samo

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