PIENO

ラストブラックマン・イン・サンフランシスコのPIENOのレビュー・感想・評価

3.7
居場所を追われることは早々ない。また、貧富の格差が諸外国ほどない日本において作品が伝えることをすべて感じられているかと言えばそうではない。ただ、観ながら今話題になっている宮下公園のことが頭を過ぎった。

「ジェントリフィケーション」この作品を観てから知った言葉だ。都市の再開発によって地価が高騰し、かつて都市中心部に住んでいた労働者階級や低所得層が郊外への転居を余儀なくされ、その結果コミュニティが壊される。

今、遠からず渋谷がそうなのかもしれないとサンフランシスコと重ねた。ありがたくないグローバル化は意外と遠くない未来かもしれず、私たちはそろそろ還る場所について考えるべきではないだろうか。

即ち、それは寝床であり、安心のできる場所だ。環境>開発であり、利他>利己であり、すべてはつながっているし、循環している、これからの生活について考えさせられた作品。全然、他人事じゃない。
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