楽しい懐かしいアニメーション、だけどリアルな現代。
おジャ魔女どれみってもう20年前の作品なのか。
小学生の時に放送していたような気がするけど、20年前だったら中学生の頃だ。
中学生でお邪魔どれみを見ていたのか…?ちょっと意外だ。
いいアニメだな〜と思っていたのをなんとなく覚えている。
本作を見ていて思ったけど、演出とか、あと音楽が良いですね。
今となっては中身をあんまり覚えてなかったけど、本作を見ていくうちに「そうそう、こういう表現よく使ってたな〜」といった懐かしい気分になった。
本作の主人公は僕のような、小さい頃におジャ魔女どれみを見て育ち、社会人になったけれども人生が思い通りにいかなかったり、社会の波にもまれ自分を見失いそうになったり、右往左往している人たち。
ジャストの世代の人たち以外にはピンとこないのは仕方ない。
作り手も絶対それは意識しているはずで、今を生きる20代や30代の”現代”の描写も細かくリアル。
本作ではDVDでおジャ魔女どれみのワンシーンを見て、忘れていた気持ちを取り戻すシーンがある。
幼い頃に見ていて、その純粋な心に刻みこまれたはずなのに、アニメやサブカルチャーから教わったものをいつのまにか無碍にしてしまっているという描写。
自分を重ねずにはいられなかった。
最初から最後まで「わたしたちが生きている現実には夢のような魔法はない」、というリアリズムが鎮座する。
各主人公が抱えている悩みも軽くはない。
見ている私達も、魔法みたいな展開を期待するし、作り手も演出で見せようとするけど、あと少しのところで現実に戻される。
そんな展開だが、最後には一つの答えが示される。それが僕は良かった。
作り手のアンサー。
あの頃、放送を見て育ち、しかし今混沌とした現代を生きている者たちへの思い。
その主人公3人に、ほのかにおジャ魔女どれみ各キャラクターのエッセンスが少しずつ入っているのが良かった。