のん

ひとよののんのレビュー・感想・評価

ひとよ(2019年製作の映画)
3.8
2004年5月23日の夜、父親がふるう暴力から子供たち3人を守るため、田中裕子演じる母親が父親を車で轢いて殺してしまう。事件から15年後の5月23日に、約束通り母親は子供たちの前に戻ってくるが、それは『家族』とは言えないほど関係は崩壊していたが、徐々に『家族』が絆を取り戻していく話。

家族を守るために人を殺めた母親について、殺人者でも母親であることには変わりなく、母親は自分たちを守るためにやったことも理解しており、母親を受け入れたい気持ちがあるが、殺人者の子供ということで嫌がらせを受けたり夢を諦めたりと、苦労したことから、母親を受け入れたくない気持ちもあり・・・とても重いテーマの映画であった。
記者として母親のことを悪く書くなど、母親の存在について1番拒絶していた佐藤健演じるゆうちゃんだが、堂下に対して激昂する一面もあり、そこにゆうちゃんの本心が表れている気がした。
事件の夜について、
『私たちにとっては特別な夜だが、他の人にとっては何でもない夜』というフレーズが記憶に残った。
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