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9人の翻訳家 囚われたベストセラーのynのレビュー・感想・評価

4.0
本とミステリー好きには、たまらなく面白い映画、凄く好き。
謎の人物からの脅迫が始まってから翻訳家たちは軟禁状態に移行。大企業のCEOとは言え一介の金持ち風情が9名もの人を閉じ込め、あまつさえ銃で脅すという、法治国家にあるまじきトンデモ展開ではあるが、ミステリとしての緊迫感を出すためには致し方無し。

終盤、書店主のジョルジュが「失われた時を求めて」という小説を手に取り、少年に語るシーンがとても好き。
”この本を(知っているか)?”
”世界を無限に広げてくれた”
”誰が売ろうと関係ない”
”ラテン語の言葉をおしえただろ”
”ページを開けば世界があふれ出す”
”物語はすべてを圧倒して私たちの心で永遠に生き続ける”

単純にミステリーとして面白いだけでなく、小説や本を愛する者たちの心理を「あぁ、それ分かる・・」と感じながら観ると感情移入が倍増。
観終わった後に、無性に本が読みたくなる謎の引力をもつ映画でした。
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