わたしは光をにぎっているのうんちくんのレビュー・感想・評価

美しく、心の温まる映画。
中川監督の映画はいつも明け方を想起させる。淡い色彩、眩しい光、青い匂い。
トークショーで監督が仰っていたように、人を嫌いになりやすい時代だからこそ、私はこういう映画に救われる。
無くなっていく立石の風景がスクリーンの中で光とともに存在したことによって、形式的には過去を喪失するけれども、それでも失われることのない思いを抱えながら未来へ進んでいこうとする映画のメッセージを強く感じた。
澪がはじめて銭湯のお湯を沸かすシーン、美しすぎて息を飲んだ