なつを

スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼のなつをのレビュー・感想・評価

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前回よりも規模の大きいサイバー犯罪を意識した展開を見せていながら、ハッカーとしての才能を見せていた主人公はヒューマンドラマ役に回されて、ハッカーとしての活躍の場がほぼ無し。前作で張りまくった伏線も主軸のストーリーとあまり関わりが無く主人公と恋人のラブロマンスやヒューマンドラマ、捜査官達の必死な追跡劇、どれもあまりパッとせず。

一方で、前作では出番が後半に集中していた、成田凌さん演じる浦野が本作は最初から最後まで暴れっぱなし。
社会的病質者が抱える、自身を形成した根本とも言える疑問と苦悩。
その渦中で踠きながらも、何より自分の快楽を満たすため、ひいては『自分』を表現するために生きる。類稀なる知性と凶暴性を併せ持つ凶悪犯罪者を見事に体現していた。
正直、作品そのものが成田凌さんの圧倒的な演技に食われてしまっている。
なつを

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