ゆかりん

あなたの名前を呼べたならのゆかりんのレビュー・感想・評価

あなたの名前を呼べたなら(2018年製作の映画)
5.0
お金持ちでアメリカにも行った旦那様なら自由なんじゃないか、と思ってしまうが、逆にその自由な考え方がインド内では浮いてしまってラトナを傷付けることにしかならないのが切ない
全体を通して穏やかな場面展開を見せるが、だからといって飽きてしまうような穏やかさではない

カーストの問題、地方の村の問題と彼らを取り巻く問題が解決することはないが、ラトナが夢を叶えた先に旦那様との未来があったらいいなと思わせるラストだった

ずっと「旦那様」という呼ばれ方を嫌がった旦那様と、召使いでしかない自分との境界を表すのがSir
絶対呼ぶぞ呼ぶぞ…とわかっていたが、最後の最後でラトナが勇気を出して線を越えたラストはわかっていてもホロリと涙が出る作品だった
少し違うがパッドマンを思い出す
下のカーストの者が革命を起こすことはバカにされるし、命の危険も伴うことだ
権力がある者しか変えられないし、変えることが出来ない
「連絡をしないで」と言われていたのに、会えない辛さで泣いているラトナにジャストのタイミングで電話した旦那様優秀
あのラストがあったことでただの切ない映画ではなく希望を持てる映画に変わったと思う
むしろ描かれていたら蛇足だっただろう
現実的に考えるなら旦那様ラトナをアメリカに連れて行って〜!って思うけど、連れて行ったからといって両親のこともあるから幸せが待っているとは限らない
ラトナは自分の引いた線を越えることは出来たが巨大な壁が立ち塞がっているのは変わらない
きゅんきゅん系を求めている人には物足りないかも?

オススメ出来る作品だし、もう一度観たくなる作品だった
歌にダンスが無い分短かったので比較的挑戦しやすいインド映画だと思う
ゆかりん

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