にんグラ

パブリック 図書館の奇跡のにんグラのレビュー・感想・評価

パブリック 図書館の奇跡(2018年製作の映画)
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自分にとって図書館は、寒い日も暑い日も居心地が良く、いつもいつでも行きたいところだった。小学生中学生の頃は自転車で行き、高校生の時は学校帰りに寄り、社会人になっても、仕事で取得する必要がある資格の勉強をするために休みの日は近所の図書館に通った。結婚して子どもができたら、子どもたちの図書カードを作り、絵本を借り、子どもたちが大きくなっても自分だけでもたまには行きたいなぁと思ったりする。自分には図書館はそんな場所。

以前、ニューヨーク公共図書館を観た時には日本との違いに驚いた。公共とは、と思い、どこまでが図書館の役割なのかと考えた。

そして今日、この映画を観て、もう一度公共とは、と考える。図書館は、行かない人は行かないかもしれない。そして行く人には行く理由がある。たとえ「実物大の地球儀はあるか」と聞きに行くとしても。

あれらのレファレンスは本当に聞かれたことなんだろうなと思う。ライブラリアンがどう調べるのかもどう答えるのかも気になるが「探しているんです…」にはきっと一生懸命応えてるに違いない。
だから大寒波で凍死するかもしれない夜は、行くところのないホームレスたちに屋根を貸すことはスチュアートの真っ直ぐな気持ちなんだと思う。事実、ホームレスが占拠した3Fは、外の様子や交渉人たちのいる警備室と比べて穏やかな優しい世界だった。ピザも美味しそう。みんな並んで一切れずつピザをもらっているところも、彼らホームレスの日常のようで胸が苦しくなったけど。
図書館長が立てこもりの方に来てしまうのも切なかった。彼は黒人で、きっと心の中に怒りの葡萄を持っているんだろうなと思う。

きっと誰もが
探しているんです、奇跡を。
にんグラ

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