パブリック 図書館の奇跡の作品情報・感想・評価

上映館(27館)

「パブリック 図書館の奇跡」に投稿された感想・評価

ヴレア

ヴレアの感想・評価

3.8
図書館における立て籠りを描いた社会派作品。
図書館には様々な人が来る。
本を探す人、パソコンを利用する人、地球儀を見に来る人、全裸で歌を歌う人(?)、もちろんホームレスだって来る。

そんな色んな人の相手をしないといけない図書館員ってとにかく大変だなと思った。1日本が読めて楽そうなどという幻想は吹き飛んだ。

特に難しい問題だったのが、個人の権利を優先するか、大勢のお客の権利を優先すべきかという事。
図書館員であるスチュアートは体臭が酷いという理由で一人の男を追い出したが、訴えられてしまう。
体臭があったからと言って、彼には全ての情報にアクセスする権利があるのだ。それを奪ってはならない。

他にも、ホームレスのシェルター(寒さを凌ぐ場所)不足という市の問題があり、それによって図書館にホームレスが押し寄せる事になり、スチュアートはある決断を迫られるというストーリーで、とても引き込まれた。
higboo

higbooの感想・評価

3.8
上出来な佳作という感じ。面白いのでぜひ万人に何の気負いも無く観て欲しいと思いました。

というのも、重たい社会問題を主題にしてはいるものの、いざ観てみるとドラマとしては割と軽いタッチの娯楽作。
もちろん深刻な現実に起きている問題に対しての警鐘にはちゃんとなっているのだけど、映画自体は重たくない。
逆にそれがテーマなのかも。もっと身近で簡単な問題なんだから、ちゃんと考えようぜ。という。

図書館でのデモというか立てこもりというか...(彼らの主張はただ、外寒くて死ぬから今日ここに一泊させて!ってだけなんですが)を巡って警察なり市長なりメディアなりが、自分の都合で色々言ってくる話。
この題材、この設定を思いついた時点で、エミリオ・エステベスの勝ち。面白くならない訳ないもの。

「The Public」ってタイトルがまた良いですね。アメリカでは図書館は区役所とか公民館的な役割でもあるのかな。日本でもそうか?ライブラリアンって言葉を初めて知りました。
凍死者が出るような大寒波のある日、行き場のないホームレスが「避難所として開放しろ」と公共図書館に立てこもり…。
タイトルの「○○の奇跡」というよくありがちな放題にちょっとゲンナリしつつ鑑賞。嫌なやつも出てくるけど最初から最後までほっこりできるお話だった。最後にホームレスたちが取る手段と、とある人物がひょっこり出てくるところが笑える。
dai

daiの感想・評価

3.6
原題はThe Public

雪が舞う中、公立図書館の前には開館を待つ人の行列がある。彼/彼女らはホームレスであり、開館するや否や化粧室で身なりを整えたり、インターネットで調べ物を始めたりする。閉館時間ギリギリまで図書館へ居座るのである。
ホームレスにとって冬は生死に関わる季節なのだ。シェルターはあれど収容人数に限りがあり、行き場を失くしたホームレスがたくさんいるのが現状。彼/彼女らにとって公立図書館は生きるための場所なのだ。そんなある日、大寒波が訪れる。連日、凍死者が出る中で、彼/彼女らは図書館を占拠することを決意する。

実にアメリカ的な映画であった。どんな人であれ最優先事項は生死に関わる問題である。死んでもいい人間などいない。

とはいえこの映画を肯定的に見るか、否定的に見るかは意見が分かれそうだ。実際、ホームレスの方々は他の利用者の迷惑となっているところも多分にあるからだ。

臭いから図書館を追い出したということで図書館職員がホームレスに訴えられるシーンがあるのだが、実に議論が白熱しそうなテーマであり、民主主義について考えることができるテーマである。

映画としては嫌いではないが、あまり肯定的には見れない映画であった。
Sayoooo

Sayooooの感想・評価

-
実在の事件をもとにしたのかと思うほど現代の問題によりそっているけどエステベス監督が11年かけて作成したそう。
「図書館は民主主義を守る最後の砦だ」というセリフがこの作品を象徴してる。
テーマはあるし、社会的な映画だけどエンタメとしても面白かった!

弱者だから助けるという考え方ではない、誰しもが声を上げるチャンスがあってよいのが民主主義なんだよね。

アメリカでは図書館が図書のみではなく、いろいろな機能を持っていることも知らなかったので驚いた。
いろんな人に観てほしい作品。
黒川

黒川の感想・評価

-

このレビューはネタバレを含みます

◇俺が人生を捧げてきた民主主義の最後の砦なんだ。
◇声を上げろ、俺たちの存在を認識させるんだ

◆ストーリー
◇度々正義について追及される。「どちらの正義につくかというのは難しいことよ」「お前はどっちの味方なんだ」
◇読むごとに主人公の熱を帯びてくる怒りの葡萄の引用は伝えたいことがたった数十秒で伝わる美しい文。
◇交渉人の息子のマイク、後日談など色々な掘り下げが欲しくなる。

◆感想
◇「貧困、差別、格差、失業、格差、銃、メディア、ドラック、アルコール」
など伝えたいメッセージが真っ直ぐに伝わってくる。
◇交渉人の息子のマイク、後日談など色々な掘り下げが欲しくなる。
セント・エルモス・ファイヤーで若造を演じてたエミリオ・エステベスが、監督と主演をこなしながら、こんな良い映画を作るまでに成長して。。。感涙。
主人公の境遇(元ホームレスの図書館員)に強いシンパシーを感じました。美談にするつもりはないですが、図書館に救われる人間は確かにいます。退役軍人、失業者、精神疾患などによって住む家を失った人々が大寒波による凍死を恐れて夜の公共図書館に立てこもるーー。単なる目先の生存だけが目的ではなく、社会全体に対する自分たちへの無関心に怒る彼らの物語。作中で『怒りの葡萄』の一節が引用されることは基本的人権の観点からも、図書館利用にまつわる観点からも極めて重要な意味があります。「図書館から体臭を理由に退去させられて訴訟」「当局からの情報開示要求を図書館が拒否した」など実話を元にした話も作中に度々登場する。改めてパブリック(公共)の意味を問う素晴らしい映画でした。
まろ

まろの感想・評価

4.0
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:62/102
⠀ ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★☆☆
⠀ ⠀ ⠀ ⠀ 映像:★★★☆☆
⠀ ⠀ ⠀ ⠀ 音楽:★★★☆☆

設定が面白かった。
寒さをしのぐためにホームレスたちが図書館を占拠し、彼らと行動を共にした図書館員が偏った報道によって容疑者に仕立て上げられてしまうという、一瞬コメディっぽい感じもするんだけど、映画を観ていくと、これはホームレスたちが自らの存在を訴えるための戦いなんだということがわかる。

日々、寒さによってホームレスが亡くなるケースが増えているものの、結局多くの人にとってはすぐに忘れ去られてしまう。
だからこそ、このデモを通じて自分たちの存在を世間に知ってもらおうと。
そのホームレスたちの純粋な想いがちょっと感動的なんだよね。

しかも、彼らの中には退役軍人もいて、散々国や国民のためにがんばってきたのに、今はホームレスとして生活せざるを得ないという状況も、アメリカ社会の現実を突きつけているような気がした。

また、スチュアート(エミリオ・エステベス)の過去や本によって救われたエピソードも、彼が図書館で働く動機づけとしてすごくよかったし、彼がジョン・スタインベックの『怒りの葡萄』の一説を引用した主張はかっこよかった。

活字が苦手で普段本をまったく読まない僕だけど、文字や文章によって記録された過去の人たちの主義や主張、想いというのは、後世になってもその熱量を損なわないんだなということを感じたよ。

ただ、立てこもった後は面白いのだけど、それまでの話がやや冗長だったので、もっと立てこもるまでを早めてもよかったのかな?って思ったり。

しかし、図書館とか中学生のとき以来訪れていないけど、ホームレスの人も入るってのはアメリカならでは?
彼らは開館前から入口で並んでいて、開館したらトイレで歯磨きや髭剃りとかしてるから、日本じゃこれは無理だよなって思った(笑)
近所の図書館の前の張り紙に著しい悪臭の方はご来館をご遠慮いただきますなどと書いてあるのを思い出した。アメリカの場合はホームレスには退役軍人なども多いと聞く。国に尽くした人がホームレスになるように自分もいつなるのか分からない。外で寝るのが命がけという中でどう行動するべきか、どうサポートするべきかを考えさせられた。
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