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おとうとのpasatiempoのレビュー・感想・評価

おとうと(2009年製作の映画)
3.4
初見。
 出来の悪い弟の鉄郎(笑福亭鶴瓶)、家族から煙たがられ自身もある程度自覚しながらも、その性格を変えず人生を走り抜く。
 姉・吟子(吉永小百合)のそれでも家族として弟を愛し心配する思い。
 名をつけてもらった吟子の娘、小春(蒼井優)の微妙な距離感。

 主要3人の演技は皆素晴らしい。
 笑福亭鶴瓶は関西人なので関西弁には違和感ないが終盤に見せる演技はバラエティで見る彼とは違い過ぎて驚く。力尽きてゆく彼の熱演を見ることができた。

 献身的に接する吉永小百合は演じると言うより何もかもが自然体に見え、だらしない弟だが優しく守る繊細な演技が素敵です。
 テープをお互いの手に結び最後の会話を交わすシーンは二人が和解したように感じた。

 結婚式をぶち壊された蒼井優の気持ちを察すれば嫌な叔父さんだが、それでもやはり家族、名付け親のいきさつを聞いたことで急に距離が縮まり、駆けつけた時の表情がそれを示している。

 人それぞれ個性があるが一回でもイメージを悪くすると元に戻すことの難しさ、それでも施設では人気者。烙印を押してしまうのは視野が狭いだけなのかも知れない。

 何故、姉とそんなにも違ったのか?幼少時代を挿入してあると感情がもっと入りやすかったかも。

 ラストの祖母のボソッと呟いたセリフが効いてくる。

視聴環境:ノーカット
パンフ:未保有
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