いがらむ

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊のいがらむのレビュー・感想・評価

4.5
物語を物語ることがどこまでも自由であることをストイックに求道しつづけるウェス・アンダーソンが、どう考えても頭の中は孤高の完璧主義者なのに人々に愛されるポップネスをたたえるのは、ただのパズルのピースかもしれない役者への映画史的な信頼と愛が画面から横溢してるからだなあ。そして、役者のウェスへの愛も爆発しちゃってるからこの芸術的イチャコキを僕らファンはただ赤面しながら眺めるばかりだ。ちょうど劇中のデル・トロとレア・セドゥ、シャラメとマクドーマンドの関係のように。もちろん美術や語り口やモチーフも素晴らしいけど、結局自らの肖像を更新し続けるスターたちを見たいなら、絶対ウェス・アンダーソン作品。罪なお人だ。
いがらむ

いがらむ