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見えない目撃者のusagibikeのレビュー・感想・評価

見えない目撃者(2019年製作の映画)
3.5
よかったです

○感想
森監督の作品はリトルフォレストを拝見したことがあったのですがゆったりしたテンポが印象的で、登場人物の心情を想像して余韻を味わう作品と感じました

今作は打って変わってとことん過激な描写を疾走感溢れる中に描いていて、その上で色んな「見えない」が交差しています
一見複雑なストーリーも登場人物の視点で描く事で、自然と物語に引き込まれこちらも同じ目線にたって観ることが出来ました
印象に残った所→冒頭のシーン、砂嵐みたいにどんどんみえなくなって画面がまったく灰色になる

主要人物たちはかなり追い詰められていきますが、それによってなつめの強さがより引き立っているように感じました
→点字ブロック!死なないはずと思いつつ心の中で逃げて!!!と叫びました…
→鈴!!スケボーで坂を下る、浅香どあっぷ

また、緊迫したシーンの会場の一体感であったり得体の知れない犯人に対する恐怖、なつめの葛藤や絶対に助けるという強い信念など、まるで現実に目の前で起きている出来事のように伝わってきて、とても迫力があり楽しめました
何より主演の吉岡里帆さんと高校生役の皆さんが素晴らしかったです
そして、今作はR15指定ありグロテスクな描写が多いということで心配でしたが、
席がかなり後方だったためかあるいはあまりに過激だったゆえに逆にフェイクっぽく見えてしまったのか、耐性ない方ですがふつうに観られました


○もやもやした点
振り返るにつれて回収されていない伏線が大きなものから小さなものまでぽろぽろと出てきてしまいもやもやしました
(特に犯人に繋がったキーワードが出たっきり、どうにも人が来ない、事が起きたと同時に現れる人々などフィクションだし必要な設定と思いつつもう少し描きよう無かったものかと思ってしまった)


○舞台挨拶について
上映前の舞台挨拶では、公開前という事でネタバレ等々トーク展開も難しそうでしたが、事前予告にはお名前のなかった國村さんや大倉さんもいらして撮影秘話や吉岡さんの役作りについてなどたっぷりお話が聴けて、またフォトセッションの時間もあり感動しました


○総括
心理サスペンスの要素が強くある一方でエンターテインメント的な要素も感じ過激な描写なども含めとても楽しめました
また、舞台挨拶で監督がとことん攻めていたというお話があり、それが本当にとことんであったので後味もよかったです
エンドロールが終わったあとのみなさんとした拍手が胸に残りました
公開したら、母ともう一度観たいなと思っています
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