まり

見えない目撃者のまりのレビュー・感想・評価

見えない目撃者(2019年製作の映画)
4.1
まさに、ノンストップ・スリラー。128分全力疾走。
目を背けたいほどのリアルと、瞬きも忘れるほどの恐怖。
だからこそ、最後まで見届けてほしい一作。
鑑賞後に残るのは、暗闇の中でも一歩前に進む勇気です。

Filmarksさんにご招待いただき、完成披露試写会を鑑賞させていただきました。ありがとうございます!

冒頭、無い頭をひねってかっこいいことを書いてみましたが、し、死ぬほど怖かったーーー!!!!!怖過ぎるよ_(´ཀ`」 ∠)_
正直一人で観に行ったのを後悔しました。心拍数上がりっぱなし、フルマラソン全力疾走かよ…ってくらいの勢い。そして暗闇・背後が恐ろしくなりました。犯人タフすぎ。主人公もタフすぎ。俺の後ろに立つなァァァ!!!
盲導犬・パルが唯一の癒し。なかなかしんどい展開が続きますが、最後には一筋の光・希望が見えたような。

以下、まとまりのない感想です(試写会のありがたみはありますが、なるべく率直に書きます)
■ストーリー
韓国映画が原作なこともあって(?)ひたすらにドラマチック。退屈させるシーンが全くなく時間を忘れられる。序盤は主人公の視界になぞらえるように何もかもが断片的だったのに、後半怒涛の展開とともに真相が見えてくるのが本当に鮮やかで。
舞台挨拶での吉岡里帆さんの「主人公のなつめは盲目で、世間的には弱者と思われがちで。でも本当はしなやかな強さがある」というお話が印象的でした。逆に私たちは見えているようで何も見えてないんだなと痛感。
ドラマ性を生むために、待って待ってなんでそんな行動する??と突っ込みたくなるポイントも勿論ありますが、後述の演出力でカバーできていたと思います。とにかく原作の設定の勝利感は否めないですが、盲目の元女性警察官と男子高校生という異色バディをきちんと噛み合わせた脚本・熱演にやられました。

■演出
基本的には「来るぞ…絶対来るぞ………やっぱり来たーー!!!」の連続なんですが、恐怖を二倍にさせる「見えない」という世界観。特に主人公が地下道を全力疾走するシーンはトラウマレベルの怖さ。しばらくの間インカメで動画取れない…
そしてラスト20分は劇場が静まり返る緊迫感。あそこで一緒に息を呑んだ、試写会ご一緒した皆様と熱く握手したい。(どんな映画を観るときもそうですが)本作は本当に本当に、スマホ・雑音厳禁ですよ。不安を煽るような劇伴も良かったです。もうほんとに怖いよ…うう…
あとはR-15指定ならではのグロテスクな描写ですね。グロ苦手なのでしんどくて顔を背けてしまった…ところがどっこい目を塞いでも音すらリアルでグロい。ヒィ。ただそのシーン目をつぶっていても、展開についていけなくなってしまうことはないです。グロ苦手な方でもその瞬間だけ耐え忍べば大丈夫!!!(多分!!!!)それ以上の面白さがあるのでどうか頑張って!!!

■役者陣の演技
・吉岡里帆さん
大変失礼ながら同性として「あざとーーーーい!!」と嫉妬したくなるほど、ただただ可愛らしい女性、というイメージでした(実際舞台挨拶中の私の心情はあざとい…かわいい…あざとい…かわいいの繰り返し)。が、おみそれしました。誰よりもタフな主人公を、想像を超えてくるパワフルさで熱演されています。
特に本作最大の要とも言える目の演技が素晴らしい。盲目であることがあまりにも自然でびっくりしてしまった。そして全編を通してほぼすっぴん・地味めの服装なのですが、やっぱり可愛すぎてびっくりしてしまった。一方で、ポスターのあの鋭い眼光も拝めます。それもここぞというシーンでぶつけてくるのでしびれました。

・高杉真宙さん
小憎らしい高校生役がこんなにもハマるとは。最初はとにかく「めんどくさい」が先行していたのに、徐々に主人公に触発されて自らの足で走り始めるようになる変化がとても自然。起承転結の「転」とも言えるシーンで、彼が主人公に放ったセリフには思わず涙腺が緩んでしまった。高杉さんの涼やかなルックス、いつもは落ち着いたトーンの声だからこそ、それが熱量を持つ瞬間はぐっと惹きつけられます。

異色バディの横を固める共演のみなさまも本当に素晴らしい方ばかりでしたが、言及するとどうしてもネタバレにつながってしまいそうなので、公開日くらいに追記したい…!

なかなか面白さをうまく言葉にできませんでしたが、まさしく「目撃する」価値のある作品であることは確か!!
このたびは貴重な機会をありがとうございました!
まり

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