ゆう

パリに見出されたピアニストのゆうのレビュー・感想・評価

3.8
浅田真央選手の2014年ソチオリンピック、ショートでまさかの16位に沈んだ後のフリー演技。深い青と黒の力強い衣装が彼女の美しさを引き立たせる。リンクの中央でポーズをとり、フーと息を吐く。冒頭の和音を合図に、長い手足がしなやかに大きく動き出す。瞬きを忘れる程に見事な演技に魅了され、身を乗り出してテレビに釘付けになった4分間。ラスト、天を仰いで涙する姿はもはや伝説。多くの人がすごいものを目の当たりにした感動で、一緒に涙しただろう。私も、嗚咽するほどに泣いて泣いて泣いた。

映画と関係ないけど、ラフマニノフの思い出。ピアノ協奏曲第二番を聴くと、頭の中でいつも浅田真央選手が滑り出す。

「クラシックは金持ちの娯楽。貧乏人には無用の代名詞。」
このセリフはキツいけど納得。美しい音楽の影には、経済格差、社会格差がある。私も裕福な家だったら、ピアノをきちんと習いたかったな~。才能を見出だされたマチューは、ラッキーボーイだ。

美しいピアノの音色に癒されるし、王道シンデレラストーリーで難しいこと考えずに楽しめた。色々突っ込まない方が楽しめる。
そして、YouTubeで浅田真央選手の演技を久しぶりに見返した✨
ゆう

ゆう