1234

燃ゆる女の肖像の1234のレビュー・感想・評価

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
5.0
素晴らしい映画でした。

この映画を観たあとでは、紫式部は、ほんとは『源氏物語』で女性同士のことを描きたかったのではないかと思えてきました。

男性は生命力を演出できますが、生命を生み出すことは決して出来ません。
男性にできる精一杯の誠実さは、嘘をつかないことでしょう。

でも、女性にとっての誠実さは、すべての誠実さは見せかけであることを暴くことではないでしょうか。

女性は自身のなかに生命を生む、燃えるかまどを抱いていますから、この映画はかまどを物語の中心に据えています。

かまどは古来より、オルフェウスが降りていった死者の国の入り口でもあります。

この映画は『美しき諍い女』を肖像画にしたような作品と言えると思います。
一瞬の炎のようでありながら、これ以上ないほどに雄弁な。

それにしても、女優の人選が完璧だったなぁ…
1234

1234