燃ゆる女の肖像の作品情報・感想・評価・動画配信

燃ゆる女の肖像2019年製作の映画)

Portrait de la jeune fille en feu

上映日:2020年12月04日

製作国:

上映時間:120分

4.1

あらすじ

「燃ゆる女の肖像」に投稿された感想・評価

CiNEMABOY

CiNEMABOYの感想・評価

3.7
絵具が混ざり合うような官能美。
ひと呼吸に至るまで無駄のない、緻密さ。
玄米

玄米の感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

映画館で観なかったことを後悔。

観る前から結ばれない恋物語だと分かっていた。
時間は限られていて短い間で燃え上がる恋なんだと俯瞰的に観ても、それでも何度も苦しくて涙が溢れた。

エロイーズの表情を長回しで撮ったラストシーンは、嵐のように二人の思い出が駆け巡ってきて言葉で表さないからこそ沢山の感情の混ざり合いが表現できていた。
後世に語り継ぎたい名シーンだと思う。

恋愛だけではなく、女性が生きていく上での肩身の狭さ、苦しみも描いている。
それも特色だけど、意図した残酷さが鮮やか。
中絶して寝そべっているソフィの隣に愛らしい赤ちゃんがいたり、結婚したくないエロイーズがピアノでやっと笑顔を見せてくれたのに嫁ぎ先のミラノはいいところですよ、マリアンヌが言葉にしてしまったり。

恋が成就してハッピーエンドな終わり方と、別れの切なさを描くラストではどちらの方が人の心を揺さぶるか。
私はラストカットが映画で一番大事だと思ってるので、間違いなく後者の方だと感じてる。

想い合っていたけど一緒に生きていくことが叶わなかった物語は深く人の心に突き刺さり、悲しいけどその悲しみさえもエモく美しいと感じてしまうから人気なんだと思う。
シェイクスピアだって悲恋物が一番有名なわけだし。

ただ、そうなると時代設定が今より前の同性愛作品の多くは悲恋になるのでは。コメディ以外で。
だとしたら自分はすごく残酷なことを言ってると思う。
個人的に美しい物語はどこか悲しみが残るものが好きだけど、好きな人同士が結ばれて欲しくないわけではない。
矛盾してるなと思う。

・後半からどんどんハッとするようなシーン、台詞があって少しずつ心に積もっていくような感覚があった。

・エロイーズがお母さんにしてほしいと頼まれた挨拶が可愛いすぎた。小さい頃やってたんだろうな…

・神話の話で、三者三様の感想が興味深い。エロイーズの言葉が心に残る。その思い出を忘れずにマリアンヌはあの絵を描いたのだろう。

・出ていくマリアンヌに振り返ってと言うエロイーズ

・マリアンヌとエロイーズ、ソフィ3人揃っているシーンの全てが良かった

・女性だけが集まった夜の密やかな集会。あの歌がエンドロールでも流れる。

・夜にぼうっと現れる幽霊の女性はエロイーズの姉かと思ってたけど、あれはエロイーズだったのか。彼女が母に着せられてた花嫁衣装だった。

・マリアンヌがハーマイオニーの面影が重なる知的で凛々しい顔立ちだったので、もう一人は甘い顔立ちだろうと予想してたらエロイーズも真っ直ぐな瞳と知性を感じる面立ちで意外だった。自分が浅はかで恥ずかしい。

堕胎に目を背けるマリアンヌにちゃんと見るのよ、と言うエロイーズ。その様子を絵に残すマリアンヌ。
その絵は世に出すことは出来ないだろうけど女の生き様を記さねば、残しておきたいと突き動かされてるようだった。
Mariko

Marikoの感想・評価

3.9
女は歴史や社会に消されてるだけでちゃんと存在してるんだと思える映画だった
どのシーンも絵画みたいな構図と色彩になっていて綺麗だった
さね

さねの感想・評価

4.3

このレビューはネタバレを含みます

とても印象的な映画
これを忘れることはないと思う

焚き火の揺蕩う炎や海辺で見つめ合うシーン、エロイーズとマリアンヌのベッドシーンなど一つ一つのシーンがとても美しく絵画的、芸術的で
激しい場面転換や場面の起伏がないにも関わらず120分間目を離すことができなかった

最初はお互い仏頂面な二人で、正面や真横といった90度の角度からしかお互いが見えていなかったが
後半になって互いのいろんな一面が出てきて、色々な角度から見える姿が映し出された
喜怒哀楽を指や眉、唇、そして何より目で相手に伝える見事な演技に見惚れてしまった

マリアンヌのような「振り返る」愛もいいけど、エロイーズが選択した「振り返らない」も繊細で儚くて綺麗で美しいんだよな

個人的には最初のストーブの前で体操座りしながら裸でタバコ吸ってる絵が最高に好きです
・タイトルの「肖」の字は反転している。
観る者は同時に観られている、というメッセージ。
このデザインを考えられた方、見事なお仕事!


・どこを切り取っても絵画のような美しさ。
構図が良い、という言葉はいろいろな映画で聞くけれど、
初めて、こういうことか!と理解できたように思う。

一方で、これほどに美しい映画でも、
「空気が澄みすぎている」という問題を孕んでいるように感じた。

何もかもが、クリアに見えすぎる違和感。
ノイズって、実は綺麗だよなぁと。


・物語のラスト、
エロイーズはマリアンヌに観られていることに気が付いたのか?

答えは明示されないが、明らかだと思う。

観る者は観られているのだ。
春男

春男の感想・評価

4.4
少ないセリフと眼差し。

みんなそう思うだろうだと思うけれど、
最後が圧巻。

女性はいくつもの顔を持っている。
肖像画を描くのはとても難しいと思う。

"幸せ"を選ぶのではなく、
エロイーズは強く生きた。
幸せを胸に抱いて。

でも、それさえも覆ってしまう葛藤や闇や自分ではなくなるようなことがあったんだろうなぁ。

このレビューはネタバレを含みます

公開当時めちゃくちゃ評価されてた作品だったので気になっていて、たまたまレンタルビデオ店で見かけたので借りて鑑賞。

正直な感想。よくわかりませんでした!
男性に抑圧されてた当時のフランスのとあ孤島で、肖像画が完成されると嫁ぐことになっている貴族令嬢と、その肖像画を依頼された画家の女性の一時のそれこそ燃えるような恋愛の話。終始ほぼ女性しか映りません。そして女性の行動が色々制限されていた時代に密かに恋愛関係になってしまった二人の女性。

映画を見ておっと思ったのは、画家と対称という観る、観られるの立場だと思ってたのが途中から実は一方通行ではなく双方通行だったことに気づいた時。興味を持つ側から実は持たれていることに気づき、一気に恋愛関係になったシーン。これ割と自分らもそうかもなと思った。
そして女性は男性と結婚するという社会に対して、そのルールに反いて隠れて愛を育む姿が燃えるような恋愛ってことでしょうか。

印象的なのはラストの絵画展とオペラでの再会ですね。
絵画展では二人しか知らない本の28ページを絵画に残し、今でも思ってますというメッセージを伝え、
そしてラストのオペラのシーン。激しいオーケストラ音楽とともにエロイーズの顔に迫るシーンがかなり印象的。お互い存在には気づいているものの、絶対にこっちを見ないエロイーズ。途中から大粒の涙が頬を伝うのは結構辛かった。途中出てきたオルフェウスの神話を踏襲してるんだなと思った。振り返ると冥界に引き摺り込まれるってやつ。

けどラストシーンこそ印象的なものの、絶対残らん映画でした。淡々と進みすぎな感想です。なんでですかね。お互い表情が豊かじゃないというか、無表情なシーンが多かったせいかな。それこそこの映画なのかもしれんけど。
ずっと他人行儀の vous で呼びあってきた二人だったが、最後の最後で初めて tu で呼ぶのはエロイーズの「振り向いてよ」Retourne-toi の叫びだった。万感こめて振り向くマリアンヌの表情が切ない。
女たちだけで火を囲む祭り、そこからわきあがる不思議な歌、エロイーズのドレスの裾に火がつくところ、ドキドキするようなエクスタシーを感じた。
エロイーズのために彼女の愛読書のページにマリアンヌが自画像を描くシーンもなまめかしい。
魔法使いのおばあさんのような謎の女性が行うソフィーの堕胎の場面も印象的。そこにエロイーズとマリアンヌも付き添って、ひそかな共犯関係が生まれてゆく。
オルフェウスとエウリュディケの悲恋が、二人の女性の悲恋と重なって悲しみが増幅されるかのようだった。
女たちだけのための物語であり、男が登場するのは物語を終わらせるだけのためであるかのように思える。
タカシ

タカシの感想・評価

5.0
描く側の視点もあれば、描かれる側の視点もある。振り返る人の視点もあれば、振り返らなかった人の視点もある。きっとエロイーズ視点のマリアンヌとの邂逅もあるはず。
それがあるなら、ラストのマリアンヌ視点のコンサートシーンに匹敵する美しさと激情でまた思い切り揺さぶられるんだろうな。
序盤はお見合い用の肖像画を書くという目的の元お話が進むのだが、絵を描くために見る・見られるの行為の緊張感が半端じゃない。とにかくこちらも目が離せない。
考察をしたくなる作品でラストの解釈についてみた人同士で話すと盛り上がると思う。
とにかく作品としての完成度がエグい
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