takumi

レ・ミゼラブルのtakumiのレビュー・感想・評価

レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)
4.6
『パラサイト 半地下の家族』とパルムドールを争ったラジ・リ版『レ・ミゼラブル』。今作がここまでパリ郊外に寄り添って作られたのは、監督ラジ・リの子供たちや人々の未来を変えたいという強い思いがあったからではないだろうか。ラジ・リは初長編である今作を制作する前からこの地域のドキュメンタリー撮影を行なっていた。地域に密着した経験が、短編『レ・ミゼラブル』(同じく監督はラジ・リ)にインスパイアされ、今作を形作っていった。

友に...
世の中には悪い草はいない。
悪い人間もいない。
ただ育てる者が悪いだけなんだ。
......ヴィクトール・ユゴー

ラストは観客(全世界の人間)の未来に委ねる形で終わる。私たちの未来はまだ、私たちの手で救うのに間に合う。だから、立ち上がろう。そういう希望を乗せたラストに仕上がっている。
幻滅した世の中に対抗できるのは一人一人の力だ。より良い未来を、よりベストな世界を。
takumi

takumi