あざといまでの、清々しいまでのフィルムノワール一辺倒の映画です。
ネオンの赤や黄色の明るさや、追いかけ合う際の影の演出、そして壁に映る影が会話するシーンなどなど。とにかく、フィルムノワールとして完成度の高い映画でした。
泥臭い感じと、その泥臭さの中でどこか魅力的に映る街中の光景、そして水浴嬢の綺麗で魅惑的な女性。
ただ、ストーリーが面白いか？と言われるとうーんと言わざるを得ないです。ヤクザ内でのいざこざで最後までいき、何かどんでん返しがあるわけでもない…傘で殺されるシーンや紙幣から覗くナイフで殺人を示唆するなど、美しい魅せ方ではあるけどそれだけと言われればそれだけです。
映像美という点で言えば最高！ですけど、映画として面白いか？と言われると「フィルムノワールが好きな人なら」という感じでしょうか。
でも、中国の雰囲気そのままでフィルムノワール作ったらそりゃ最高な完成度になるよ、と言いたくなるくらいには完璧なフィルムノワールでした！
