主人公はアダムという名前のイスラム教の伝道師。対立勢力と争ったり悪魔を祓ったり自分も取り憑かれたりしながら自らの信仰と向き合い、そして…
女性と子どもに対して結構暴力的な描写があった。苦手な人は注意が必要かもしれません。
イスラム教のお祓いってどんなかな?という変な好奇心で見てしまった。それに関しては呪文（聖句?）メインで、キリスト教系と似てた。（もちろん十字架とか聖水はなかった。葉っぱのついた枝はあった。）単に「エクソシスト」のオマージュなのかどうかは知識がないので分からない。
個人的イメージで、聖職者はお寺や学校で修行を積んで、その後地方に派遣されるなり修行した場所に残るなりして職務を果たすものだと思っていたが、この映画の中ではそんな感じじゃなかった。みんな在野で独学して宗教に対する理解を深め、その地域の民衆に自分なりの教えを伝道して、人気が出た人物が力を持つみたいな。叩き上げっていうか。だから1つの地域で2人の伝道者が競合して争いになる。
主人公アダムと対立してるアブジャだったか、そんなような名前の、預言者だか伝道師だかのオッサンはほとんどマフィア。警察も行政も機能してない、宗教のリーダーが王様みたいな世界観だから、邪悪な伝道師が生まれてしまうとそいつのやりたい放題で地獄みたいになる。そんな中それでもなお信仰の力でそいつと真っ向勝負するとどうなるかという、もの凄い話だった。これはマレーシアの映画でいつの時代の話なのかもよくわからなかったけどひょっとしたらイエスキリストの時代ってこんな感じだったのかなと思った。
