新作『プロメア』の公開も控える今石洋之監督の初監督作品。1時間程度の中篇。
ストーリーは在って無いようなもの。しかしその中にも「ドリル」や「月」など後の作品に繋がるようなモチーフも用いられており、今石作品の原型として観ることも出来ると思う。
愉快な映画ではあるが非常に下品であり、ギャグはあまり面白くない。アニメーション自体のハジけ具合に声優の演技が追いついていないことが要因であるように思う。
『天元突破グレンラガン』や『キルラキル』は独創的ながらも一般受けもするような作風だったが、本作は一般層の方は全く向いておらず、とにかく暴力的な勢いで刺激的なアニメーションが炸裂しっぱなしの1時間となっている。
アメリカンな雰囲気ではあるが『パンスト』のようなカートゥーンっぽい感じというよりは、アメコミ(より具体的には『ヘルボーイ』とかのマイク・ミニョーラ)っぽい陰影がバキッとしたデザインが採られている。
画面を分割してコマ割り的に見せるシーンが多くあるが、それも漫画というよりはアメコミっぽい。『スパイダーマン: スパイダーバース』に敵がバイクを発進させるシーンがあるが、それによく似た演出をしている箇所もあった。