おぱん

朝が来るのおぱんのレビュー・感想・評価

朝が来る(2020年製作の映画)
3.8
養子縁組で親子になった母と産みの母、とくにひかり(産みの母)の背景は丁寧に描かれていたけどその分ずっしり重く見ていてつらい。
彼女の母親にもう少し世間体を気にしない大らかさと愛情があれば何か変わったのか、正解なんてないんだろうけど 何事もなかったことにはできない。
それでも朝が来る、堕ちていく彼女の人生で唯一の希望となったのはその苦しみの原因ともなった朝斗の存在だったのだと思う。

途中で差し込まれる海に反射した光、木漏れ日のキラキラした映像が胸の奥に刺さってくるしい。朝が来ることは絶望だと思っていたけど、そんな中でも太陽の光を浴びるとほんの少しだけど生きてるって感じられるように、そんな風に希望を持っても良いのかもしれない。
エンドロールの最後までしっかり仕込みがあるのが超良かった。