センター分けのましゅちゃん

カイジ ファイナルゲームのセンター分けのましゅちゃんのレビュー・感想・評価

カイジ ファイナルゲーム(2020年製作の映画)
1.5
カイジ・ファイナルゲーム
福本伸行のベストセラーコミックを
藤原竜也主演で実写映画化
シリーズの第3作目。
これまでも幾多の命がけのゲームを
攻略してきたカイジが
シリーズ最終作では
国家を相手に
新たなゲームに挑む。
【story】
2020年。東京オリンピック後の日本。
未曾有の大不景気に
襲われたこの国では
多くの人々が職を失い、
大混乱に陥っていた。
日雇いの派遣会社で
辛うじて毎日を
食いつないでいたカイジは
帝愛グループの企業のひとつを
任されていた大槻と再会。
金を持て余した老人達が
開催する一攫千金のイベント、
「バベルの塔」にタッグを組んで
参加することを持ちかけられる。
このイベントへの参加は思わぬ
国家の陰謀とつながっており、
このバベルの塔への参加が
カイジの運命、
そして国の行く末を
大きく揺るがしていくことになる...
【review】
結論から述べてしまう。
こんな最終章はありえない。
このカイジという
シリーズが築き上げてきたものが
全く感じとれない。
なにをもってして
最終章、集大成と呼べるのか。
全く新しいカイジを作り上げるにしても
前作までの名残におんぶに抱っこ
されている感も否めず、
とにかく中途半端。
本当に原作者が監修したのか
疑わしいほどに
ゲームの深みがなく
それ故に頭脳戦もチープな出来。
なのに規模はデカくなり、
2020年五輪後の退廃した日本という
某名作漫画さながらの世界観が
このシリーズとは全く
噛み合ってなく
前作までにあった弱者の逆転劇の
爽快感が微塵もない。
2までにあった
あの大逆転、手に汗握る
頭脳戦はなんだったのか。
カイジの悪知恵とその頭脳が
一切活かされることのない2時間。
今作はキャラクターにも
魅力がない。
まるでやっつけ仕事のように
無計画かつ
なんの戦略性もないギャンブルで
特に頭を使うこともなく
荒稼ぎをするカイジ。
利根川、一条と比べ、
あまりにも魅力のない
知識のかけらもない対戦相手。
キャラの確立すらできていないのに
突然差し込まれる
お涙頂戴のドラマ。
豪華で素晴らしい俳優さん達の
無駄使い。
あまりにも戦略性がなく、
ゲームがチープなのに
スケールだけは国家規模に
なっており
バランスの悪さが
節々に感じられる。
伏線の張り方もガバガバ。
もちろん回収するときの
爽快感など微塵もない。
ラストのトリックは
全て完全に読めてしまう。
素人にトリックを
全読みされてどうする?
1.2にあった支配層と被支配層
この連鎖から抜け出そうと
もがくクズが必死に
知恵を絞り出し
闘う泥臭い頭脳戦、心理戦の
中に感じる人間の醜さ、汚さ、
クズっぷりが今作には一切ない。
ちょっと頭のいい兄ちゃんが
国家相手の不正を暴くために
頑張る話。
カイジではなく
まるで池井戸潤作品。
構成や展開は池井戸潤作品だが
もちろん池井戸潤作品のように
人間や企業の熱気、復活劇は
感じられないので
雰囲気だけが池井戸潤の
なんちゃって逆転映画。
藤原竜也にキンッキンに
冷えてやがる。
ただそれを
言わせたかっただけに見えた。
劇場の空気の方が
キンキンに冷えていたかと。
【評価】
ストーリー☆
演出☆
映像・迫力☆☆
上映時間☆
BGM☆☆☆
総合☆/5
1.2が好きな故の評価です。
これはファンでも
どうかと思う。