このレビューはネタバレを含みます
監督の人間への透徹したまなざし。
自身の出自や父親の恥部をあそこまで公にできるのは、人間への諦めと愛情が心のなかで共存しているからなのだと思う。
人生を生きる温度の高さを、叔父と父親の両方から感じた。
あの人たちの必死さを、室温から眺めて終わる人生でいいのだろうか。
うまく立ち回ればそれなりの人生を送れる人。
金を借りて散財して詰られて恥をかいてそれでも見栄を張るためにさらに金を借りて、身内から憎まれて。そうするしかなかった人。
そこに巻き起こる感情の坩堝を平和ボケした日本からすこし羨ましく見る人もいるのではないだろうか。
人生の唯一無二感。