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いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46のEEのレビュー・感想・評価

4.0
・運命のような偶然のような…乃木坂46というグループに集まった彼女達。
彼女たちが乃木坂でなければ、今の乃木坂は違うものになっていたのだと思うと、偶然のような、それでもやはり運命のような。
乃木坂という運命に身を投じた彼女たちは自分が、そして周りのメンバーが乃木坂であることが当たり前の日々をゆっくりとゆっくりと歩んでいる。
永遠に続くかと思われるような、そのゆっくりとした歩みは、一方で突如として終わってしまうのだ。
なぜ終わるのか、なぜ彼女たちは卒業を選ぶのか…。そこに明確な答えを出すのは難しい。それでも彼女たちはアイドルとして歩き出した時から、ある意味でこの卒業に向かって進んでいるのだろう。
西野七瀬は自身の卒業を最高のタイミングだと言った。
それがなぜなのか、それは彼女にしかわからない。けれどもアイドル達は皆、西野が言う自分にとっての"最高のタイミング"に向かって今日も歩き続けるのだ。

→この時卒業を淋しいとインタビューに答えていた一期生のほとんどが今では卒業生であり、やはり彼女達も何かタイミングがあったのだろう。

・大園桃子が発する言葉は、彼女がそのまま乗っているからこそ、重みがある。鋭さがある。そして人間臭さがある。このドキュメンタリーを見て、彼女が何故センターに立ったのかわかったような気がした。
彼女は自分が大人になれていないと言ったが、反面、誰よりもまっすぐに人間だったと思う。

・齋藤飛鳥は確固たる自分があるようで、そんな自分があること(というより周りからそう見られること)すら嫌悪しているようで、どれが本物なのか…考えても答えは出ない。彼女は皆んなの齋藤飛鳥像を誰よりも敏感に時に過敏に捉えているのだろうか。だからこそ、人に踏み込まれることに億劫になるのだろうか。
このグループにいて、必要以上に交わらない。そんな特殊な人であるようでもあり、そう言う人を演じているようでもあり、そんな自分がダメだなと思いながらも中に入れないだけなようでもあり。
素の齋藤飛鳥は誰が見たことがあるのだろうか。いや、彼女自身もまた、自分の素を知っているのだろうか。

・西野七瀬の卒業と、その前後に起こるグループの変化にスポットを当てたこと。それによってメンバーの出演時間に偏りが生じたこと。賛否あるだろうけど、ドキュメンタリー映画としては正解だったと思う。
忙殺されるメンバー達と、裏側の過酷さを見せるだけでは、映画ではなくアーカイブでしか無いから。
だからこそ、次回作があるのであれば、今度の物語は乃木坂という運命に導かれた子達から乃木坂と言う運命に惹かれた子達に、その主役が引き継がれることになるのだろう。4番目の光に。
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