佳子

だれもが愛しいチャンピオンの佳子のレビュー・感想・評価

4.1
2020年劇場鑑賞1本目

家のテレビで観る映画も勿論好きなんですが、やっぱり映画館で映画を観る時間がとても好きで大切です。
知らない人達と、同じ空間で、笑ったり、泣いたりするその空気感が心地いい。
今年は何本観れるかな。

2018年スペイン興行収入第一位。
実際の障害者を10人キャスティングして障害者バスケを描いた作品⛹️‍♀️⛹️‍♂️

お涙頂戴の説教くささは一切無く、笑いに溢れた作品だった。

みんな違うし、色々抱えてるけど、それでいいんだという力強いメッセージが根底にあり、観ていて素直に感動した。
バスの中で大騒ぎし、全員下ろされてしまうシーンで、
「僕らは、特別な才能を持っているんだ。」
という台詞が心に残った。
決勝戦のラストも最高でした。
紙吹雪の舞い散るあのシーンは泣いてしまう。

父親になる事に迷いがある主人公に声をかけるマリンのシーンも、この映画の重要なワンシーン。
彼は、障害者として初めてゴヤ賞の新人俳優賞に輝いた。その時の受賞スピーチが胸を打つ。

「ママ、私を生んでくれてありがとう。私に全てを与えてくれてありがとう。芸術を愛する心を与えてくれて、人生を聡明な心で見る目を与えてくれてありがとう。愛しています。
私のお父さんに感謝します。あなたは、見返りを求めず、地球上で最も優しい人間だったので、ひとつの笑顔で世界を変えてきたし、今でも変えています。
親愛なる両親へ、私は自分のような息子がほしい。あなたたちのような親がいるのたから。本当にありがとうございました。」

決して綺麗事にはせず、そのままの彼等を温かい眼差しで見つめてこの作品を作り上げた監督が素晴らしいと思った。
新年一本目、大満足です。
佳子

佳子