Harry

ミッドウェイのHarryのレビュー・感想・評価

ミッドウェイ(2019年製作の映画)
4.1
真珠湾攻撃からミッドウェイ海戦までの日米の攻防をアメリカ側の視点で描いた今作。

とにかく迫力がすごい。
空母に爆撃機、零戦、潜水艦…それらが海や空で入り乱れる戦闘シーンはその戦渦にいるような没入感で圧倒される。ローランド・エメリッヒ監督が戦争もので本領発揮。恐れ入りました。

ただ個人的にこの作品の魅力は、アメリカ側の視点でありながら史実を重んじて日本側の描写も丁寧にされているところにあると思う。
もちろん主役はアメリカ軍パイロットで、彼を軸に、真珠湾攻撃による友人との死別や、家で待つ家族の思い、暗号解読に励む情報班の奮闘などアメリカ側の物語が紡がれていく。
敵国である日本の心理描写は無視されても仕方ないところを、連合艦隊司令長官山本五十六の人間性、特攻に散る若いパイロット、赤城沈没にいたる状況と判断、船と共に沈んだ山口多聞の最期などがきちんと描いてあって正直驚いた。

「日米の将兵に捧ぐ 海は全てを覚えている」

ラストに流れた言葉の通り、あくまで、あの時代あの瞬間を生きた日米の軍人たちのいろんな横顔を伝えてくれる映画でした。

キャストは日米ともに主役級の名優ぞろいでしたが、個人的にはルーク・エバンスの軍服+上官役にやられました。
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