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草間彌生∞INFINITYのmagsterのレビュー・感想・評価

草間彌生∞INFINITY(2018年製作の映画)
4.5
新生渋谷パルコに誕生する「ホワイトシネクイント」のこけら落とし作品の試写会を、いつものシネクイントで。

草間弥生ビギナーのわたしには、あまり幸せでない彼女の生い立ちや、創作に駆り立てる“トラウマ”のエピソードなど、はじめて知ることが多かった。
そして幼少期のドローイングの素晴らしさと言ったら!

尊敬するジョージア・オキーフの助言を受けて、女性芸術家の個展すらなかった50年代に単身渡米。
制作時のポートレートや映像もあり、作品はもちろん、戦略的な自身の見せ方も興味深かったです。
精力的に活動するも、人種差別・性差別を受け、彼女のオリジナリティを軽んじられる出来事には衝撃を受けました。
(まさかのアノ人まで!)
写真では挫折や苦悩を経た顔つきの変化も見え、そこは辛いところ…。

ふりだしに戻った帰国後の89年に開かれた回顧展をきっかけに、彼女の作品と創作活動が再評価され、SNSの“映え”にマッチし世界中で個展が開かれる現在へ。
ニューヨーク時代には見られなかった笑顔に、つられてにっこり。

インタビューシーンでは本人の滑舌や独特な言い回しに聞き取りにくいところもあったので、全編字幕入りだと嬉しい。
美しい映像はぜひもう一度スクリーンで観たい。
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