KAIRI

犬王のKAIRIのレビュー・感想・評価

犬王(2021年製作の映画)
3.5
猿楽とロックの融合。
真逆とも思えるような2つのジャンルを重ねて見てる人を魅了する。
それは作中の観客も映画館の観客もどちらもその迫力に圧倒される。
この迫力をさらに底上げしてるのが女王蜂アヴちゃんと森山未來の天才2人。

この古い時代には絶対にないはずのギターやドラムの音、ライトアップまでされていてなかなかカオスな演奏シーン。
犬王という存在は実際にいたらしいが、このような盛り上がりや演出をしていたのかもしれないと想像をかきたてられる。

好き嫌いはかなり別れるかもしれない。
独特な世界観と演奏シーンにハマれない人は最初から最後までずっと何を見てるのかわからなくなっていくと思う。

新進気鋭なものに魅了され、それは“流行り”として語られる。
しかし、それは突然消えてしまう。
この歌う側と聞く側の関係性は、現代でも同じことが言える。
それはしょうがないことでもあり、当たり前かもしれないけど、切なかった。

歌う人が死んでも生まれた音楽は死なずに遥か先の未来まで生き続ける。
そんなことを感じさせられた。
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