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福岡のmaiのレビュー・感想・評価

福岡(2019年製作の映画)
3.9
凄く良かったです。
去年のアジアフォーカスは応募が間に合わずで観れなかったので、今回のモノクロ版を楽しみに観に行きました。

パク・ソダムが主役という注目度がグッと上がる映画になるのですが、パク・ソダムの掴みきれないフワッとした女の子像とうだつの上がらないといった風貌のおじさん2人の交流がほのぼのとしつつも真に迫っていくのが何とも良かったです。
今回は「韓国」「福岡」という各々の土地に根ざした人たちが、福岡を介してリンクしていく過程が繊細かつ神秘的で、でもどこかリアルとの地続き感もあって…そのリアルと夢との狭間の浮遊感が個人的に凄く好みでした。

福岡出身で大名のあたりはよく行くので、そういった見慣れた店や風景が展開されるというのも良かったです。

これは観て良かった!!
言語が中国語・日本語・韓国語とクロスリンクするのに、何故か会話できてるし、観客も違和感覚えずスルッと聞けてしまう(字幕のおかげではあるのですが)。その「心の芯」の部分での会話のような風体が好きでした。
少しずつ浮き出てくる過去の他愛ない話・自分の根幹に関わる話なんかも出てくる感じも良い。
雰囲気大切にした映画って言われてしまうと「確かに」という感じなのですが、個人的ツボに刺さりまくる話でした。カラー版になった時の鮮烈さが薄かったので、もしかしたらこの映画はモノクロの古ぼけた不思議な趣を纏ってる方がしっくりと似合うのかもしれません。

欲を言えば、隣の席の女性の方がスマホを頻繁に触る人じゃなければさらに良かった…マナー違反だし、せっかくのモノクロ映画なのに雰囲気が台無し。あまりにも触るから、その方の肘を叩いて「しまって」という仕草をしたら、終映15分前に出て行かれた。マナー違反だし悪いことしてるなって意識あるならやめたらいいのに〜と思います…最近多いなぁと感じますね、上映中に携帯触る人。
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