あゆみみ

ソウルフル・ワールドのあゆみみのレビュー・感想・評価

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)
3.0
周りのソウルたちはスポーツや学問などでそれぞれきらめきを感じ、希望に満ち溢れて地上へ生まれ落ちる。

でも22番は何をしてもきらめきを感じることができなくて、
ジョーの身体に乗り移る経験を通してただの当たり前の日常、普通に生きてることにきらめきを感じる。

この映画で取り上げているテーマについては私も生きていて実感する事がかなり多く、常々考えていることである。そしてこれから先も生きる上で考える続けるのだろう永遠のテーマ的なものだと思っていて、
自分の中での当たり前が、他人にとっての当たり前に必ず当てはまる訳ではないし、「これが普通」なんて事は世の中には実は一個も存在しないんだよね。

だから
当たり前の日常は実は素晴らしいものなんだよねって、そういうメッセージ性をこの映画からは感じることができるけど、私は何故22番がそういうことにきらめきを感じたのかという事が気になった。

22番が当たり前、普通のことにきらめきを感じられた理由は、
これから生まれ落ちる環境や身体が不自由な状態や状況にあるのではないかという想像をしてしまった。
少し不謹慎かもしれない。
もし、
健康でなかったら、食料に困る環境ならピザの美味しさを知る事もできない、
寝たきりや監禁された環境なら、街を自由に歩く事も地下鉄の揺れによろめいて人にぶつかる事もない、
目が見えなかったら、落ち葉が風に舞う景色を見ることもできない、
耳が聞こえなかったら、娯楽のない環境なら音楽を聴く事もできない。
挙げきれないほど様々な、そしてもしかしたら自分では考えつかないような困難な状況は世界には沢山あり、それらを知っているからこそ、多くの人にとって当たり前だと思うことが当たり前ではないとやっと気づく事ができるのだと思う。

自分にとっての当たり前は誰かにとっての幸せであって、もしかしたら自分にとっての幸せは誰かにとっての当たり前なのかもしれないよね。
世界には約78億人の人がいるけど、78億通りの人生や価値観あるよなあ...。

電車で目の前に座ってるハゲのおっさんの中にも何かしらのきらめきはあり、例えそれが私に理解できなかったとしても、おっさんの中ではそれが間違いなくきらめきであるものなんだよ。
宇宙の事を考え始めたら眠れなくなるってレベルでこのテーマも考え始めたらキリがなくて絶対正解の見つからないテーマ。
世の中には自分の当たり前を他人に強要しようとするモラハラ人間がたまーにいるけどそういう奴は本当にヤバイし、速攻自分の人生からスワイプしてさよならしちゃお。
あゆみみ

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