あや

ソウルフル・ワールドのあやのレビュー・感想・評価

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)
4.4
いつかジャズミュージシャンになりたいという夢が叶う日を心待ちにしていた音楽教師のジョー。しかし、その夢が叶う直前にマンホールに落ちてしまい、魂が人間に宿る前の不思議な世界”ソウルフルワールド”に紛れ込んでしまいします。

ソウルフルワールドは、生まれる前のソウル達に対して、メンター達が生まれる為の準備を手伝ったり、生まれてからも迷走してしまい戻ってきてしまったソウル達を正しい道に誘導してあげる世界。通常、メンターは世界の偉人と称されるような人々が務めていますが、たまたまソウルフルワールドに迷い込んだジョーは身分を偽り、生きることに懐疑的な問題児である22番のメンターを務めることになります。

ソウル達が地球に生まれる為の最後の試練は”きらめき”を見つけることであり、メンターとしての最大の務めも”きらめき”の発見をアシストすること。本作品の見所の一つは”きらめき”とは一体何を揶揄しているのか、監督の伝えたいテーマや意図しているメッセージは何かを探ることにもあると思います。

”きらめき”とは、単にその人の生きる目的やきっかけとなった特定の行動を指しているのではなく、”何かを通して、心が揺れ動いたという経験”を指しているように思いました。ソウル達はそれぞれ人格や個性が自動的に構成されますが、それらが最初に稼働するきっかけ、みたいな。”きらめき”のきっかけ自体が天職になったり、夢になる人もいると思います。しかし、きっと”きらめき”自体は何でもあり得て、生まれてからもそれに近しい体験をした時に、心が動いたり、生き甲斐を感じたり、自分が今生きている!ということを実感出来るのだと思います。

ブラックカルチャーの数々や、心地よいジャズミュージックも堪能できる作品です。
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