そら

ベル・エポックでもう一度のそらのレビュー・感想・評価

ベル・エポックでもう一度(2019年製作の映画)
3.8
ノスタルジーに溢れた
オシャレで大人なフランス映画。

『オーダーメイドの時間旅行』

と言っても、
よくあるタイムトラベル物ではなく、
体験型アトラクションのような設定が新鮮だった。


"あの時間をもう一度"

過去に戻って体験したいことは、
"あの時間"そのものではなくて、
あの時間に湧き起こった"気持ち"なんだろうな。

だって、
恋が芽生える時のエネルギーって
ほんとすごい。

活力がみなぎって無敵になるあの感じ。笑

脳内麻薬がドバドバ出てるあの感じ。笑

それは幾つになっても、
変わらないんだ。



職を失い妻にも見放されたヴィクトルが
タイムトラベルの舞台に選んだのは、
運命の人に出会った1974年あの日のリヨン。

完璧に再現されたその時間を過ごすことで
止まっていたヴィクトルの時間がまた輝き出す。




以下ネタバレ。


よくある夫婦の再生物語かと思ってたら、
ラストの切なさにグッときた。

『25年後の君に嫌われる』

3度目のマフラーはもう拾わない。



奥さんが嫉妬したのは、
夫が他の女性に心を奪われたからっていうだけではなく、
夫の中で死んでしまっていた"男性らしさ"を目覚めさせたのが、
自分ではない"若い女"だったから、
だと思う。

それって、
愛情からの嫉妬とは、
またちょっと違うんだよね、きっと。
そら

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