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ホドロフスキーのサイコマジックのbabaのレビュー・感想・評価

4.5
とりあえずホドロフスキーというだけで高スコアをつけたくなるが、まあ内容は普通によくわかるというか、普通に面白い😳
一応映画のていは、ホドロフスキーが編み出したサイコマジックという心理療法のケース集。どのケースも面白いけど、まあどのケースも同じっちゃ同じ😂

精神分析が言葉で無意識に働きかけようとするのに対し、サイコマジックは行動で無意識に働きかけるそうで。
精神分析において、ホドロフスキーはフロイトに影響を受けているっぽいが、ラカン風にいえば無意識下は言語=シニフィアンの体系という縛りがないだけに、無意識下にあるトラウマに対しては「シニフィアンの戯れ」を手がかりに働きかけるしかない(確かそんな感じ🙇🏻‍♂️)。
それに対してサイコマジックでは、今現在抱えている精神的な困難の原因を無意識下で抑圧されたるトラウマに見定め、そのトラウマをアクトを通してやっつける(乗り越えさせる・解放される)ことをめざす。

まあ正直ホドロフスキーの見定めるクライエントが抱えるトラウマの理解、その乗り越え方などは、我々一般人にも解釈できるものだった😂
その点で精神分析の方が、シニフィアンから逃れた地点にある無意識下にもっと肉薄する気はした😂


が、ホドロフスキーの面白いのはむしろそうした心理療法を行うこと自体をアートとして行なっている点にあろう㊗️㊗️
そういう点から見ると、この映画に出てくるクライエントたちには、心理療法を受けるというよりも、アートに巻き込まれることを通じたセラピーが生じているのではないか🙄
サイコマジックは精神分析、とか言うからむしろ誤解を招きそうやけど、アートを通じたセラピーをやってはるんやな、と🙄

セラピーとは、正常な状態から逸脱した病的な状況が「治る」のではなく、今現在のあり方が生きる上で無理をきたしている時に、生きる上で無理をきたさないような「別の生き方になる」ものとして理解すべきだという立場を採用しておりまして🙄
その意味で、この映画に出てきた人たちは、サイコマジックという形でホドロフスキーのアートに巻き込まれることによって、より辛くない違う生き方が始まっているんだろうなあ、と。
確かにホドロフスキーの映画を見るだけで、私のような俗物でも大きく揺さぶられるので、直接彼のアートを体験すればそら生き方変わるかもなぁ、、と🙄🙄


まあでも、アクトの中で仮装をしたまま街に出たりするんですが、普通に周りの人たちはしっかり日本人と同じくらい奇異な目で彼らを見ていて、むしろ安心した😂笑
日本人だけがアーティスティックな感性に貧困すぎる、というわけではないんですね、笑

しかしこの映画の上映見れなかった(渋谷に行くのがしんどすぎて嫁の誘いを断った😂)んですが、配信してくれたU-NEXTはほんまに最高!!
みなさんもぜひどうぞ!
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