このレビューはネタバレを含みます
2023.09.12鑑賞
家のために、母のために、弟のために頑張ってきたお兄ちゃん。東京に行ってしまった弟を見送り、実家の酒屋を切り盛りしながら、病気になった母の面倒もみる。そんな自分自身を、お兄ちゃんはきっと、あわれには思ってなかったはず。
でも、弟がいきなり帰ってきて、代わりに店を継ぐと言われ、やりたいことをやったらいいと言われた。それは弟から兄への優しさの提示だったけど、お兄ちゃんはきっと、すべてを持っていかれるような寂しさに焼かれるような心地だったんじゃないか。
だから、母を連れて車で出かけた。夜中に、お酒を飲んでいたのに。
お兄ちゃんはあのまま、さまざまなタイミングが重なり合ったら、すべてを終えるつもりでいたんじゃないか。
踏みとどまって帰ってきたのは、臆病だったからか、それとも。