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ソワレのmaiのレビュー・感想・評価

ソワレ(2020年製作の映画)
3.8
自分は空っぽだと思っていた男女がお互いに依存し合うことで、本当の自分の道を見つける話。
終始どんよりしてるし、何より村上虹郎くんの役どころがあまりにも無鉄砲で不甲斐ない感じ…でも、ラストがびっくりするくらい好きで、それだけでこの映画のそれまでの評価を覆せた。
女の子の方は、自分に関心が向けられることで自己を知れたように感じる。でも男の子の方は逃げ続けた最後の最後まで、自分が空っぽだということに気づきつつもどうにもなれない。
でも、ラストで女の子が自分のやった何気ない仕草をよりどころに今までやってきたんだということに気付かされ、何もない空っぽな自分でも誰かと関わり、そして誰かの支えになってたんだと知る…そして、いろんな感情がないまぜになった泣きの表情・演技は真に迫るものがあった。
ラストが最高に良すぎて、それまでのどんより感・行き詰まり感が一気に抜けた。

音楽もほとんどなくて、リアルさが滲み出るスクリーン構成だからこそ、主役の女の子の表情の微妙な変化(諦めや希望)が映えるし、村上虹郎(わたしの鑑賞目的)の不甲斐なさとでも、人を振り払いきれない人懐っこさがすごく良かった。
男女共に面倒臭いところや危ういところがあるんだけど、そこひっくるめてその人物の魅力に繋がってるから、やっぱり演技力のある人って凄いなぁと思った。
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